貧乏な小澤司が貧困を考える

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1950年代冷戦期の雰囲気伝わるSwitch用STG『SQUADRON 51』が面白そう。冷戦期に宇宙人侵略SFが多い理由

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1950年代冷戦期の雰囲気伝わるSwitch用シューティング『SQUADRON 51』が面白そう

 

ここ最近、インディーゲーム(小スタジオによる小規模開発ゲーム)が面白そうだなあと感じる。

大メーカーによる大多数のユーザーに向けて開発されたゲームとは違い、インディーゲームにおいてはターゲット層を絞っているからこその面白さ、それは着眼点であったり、ゲームシステムであったり、ビジュアル的な要素であったり、制作者の思いであったりと様々な独自性を見つけることができ面白い(メジャー作品は万人に受ける面白さがあり、それはそれで素晴らしいからメジャー作が悪いと言っているのではない)。

あたかもそれは映画における、ハリウッド映画とインディペンデント映画の関係に似ている。

 

僕はゲーム情報サイトやスマートフォン情報サイトを運営している(Socius101

ニンテンドースイッチ&ソキウス101)から、そういうゲームソフトを知る機会には恵まれているのだけど、そういう独特なセンスを放ったインディーゲームを見かけると思わず嬉しくなってしまう。

今回紹介する『SQUADRON(スカッドロン) 51』

その一つ。ブラジルのスタジオLoomiartsが開発するこのゲームは、ニンテンドースイッチやSteamで2018年末に発売予定となっている。

 

・『SQUADRON 51』のトレーラー

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本作は1950年代の世界をとことんオマージュした2Dシューティングゲーム。白黒のそれっぽい画面、煽情的なテロップ、雰囲気あるローファイBGMなどなど当時のオマージュとしてどれも一級品のように見える。

加えて敵が「地球を侵略しにきた宇宙人」であり、それに対して立ち向かう主人公(プレイヤー)という設定もニクい。

 

・冷戦期に宇宙人侵略SFモノが流行した理由

1950年代は「宇宙人により地球が侵略されるSF」が多く作られ人気を獲得した時代だ。それには時代背景がある。

当時、特に50年代前半はアメリカ率いる資本主義圏とソビエト連邦率いる共産主義圏の対立、すなわち冷戦が世界中に広がりを見せ緊迫した状況が続いた時代だ。

「共産主義者」とのレッテルを張られた政府職員やマスメディア・映画関係者が地位をはく奪され「マッカーシズム」の風がアメリカにおいて吹き荒れたのもこのころ。地位剥奪は、かつての中世「魔女狩り」のような様相を呈し、一種の狂乱事態が発生。そこにおいては不当な地位はく奪や政略、そして嫉妬による謀略から公的地位を奪われた人間も少なくなかった。

そのような時代状況は文芸や映画の世界にも及ぶ。上述の通り、50年代には「宇宙人により地球が侵略されるSF」が人気を集めたのだが、要するに宇宙人とは共産主義の暗喩である。

代表作として例えばハインラインの小説『人形つかい』(1951年)があげられる。

ナメクジのような寄生体が人間を乗っ取り、ロボットのようにしてしまうというのがこの作品のストーリーだが、これは「共産主義=人間から個性を奪い、人間を奴隷のような存在に貶める」という現在においても存在する共産主義批判の典型を下敷きにしているし、また手塚治虫『ブラックジャック』の1エピソードに出てくることでも知られる、ジャック・フィニィ『盗まれた街(映画版は『ボディ・スナッチャー』)』(1953年)では、親兄弟や友人など身の回りの知っている人たちが一人一人、宇宙人に乗っ取られ中身が入れ変わっていく。これなどは知らぬ間に共産主義が世の中に浸透していく恐怖を描いている。

話は元の『SQUADRON 51』に戻るけれど、だから1950年代のオマージュ作である本作が敵キャラクターとして、「宇宙人」を持ち出してくることには「なるほどなあ」と思わせてくれる。

なお2017年には1930年代アニメーション草創期のグラフィックをオマージュしたアクションゲーム『Cuphead(カップヘッド)』がミリオンダウンロード越えの大ヒットとなった。

本作はそのような”リバイバルもの”の2番煎じを狙ったかのようにも見えるけれど、別にそうではなく、元々2016年あたりから開発していたらしい。日本でも発売に期待したい。

 

・『Cuphead(カップヘッド)』

 

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